クレジットカードの課題 |

クレジットカードの課題
創業当時のクレジットカードビジネスには、それが新しい業態だっただけにいくつもの問題が発生した。それらは現代にも通じる、クレジットカード特有の普遍的な課題といえる。
カード利用者が本人であることの担保
カードでの支払い時、通常レシートに必ずサインを求められる。このサインとカード裏のサインが同じ筆跡であることを確認することで、カード利用者が本人であることも担保される。
しかし、初期にはカード裏のサインに該当するものがなかったため、請求伝票にサインする者がカード利用者と本当に同一人物なのかはわからなかった。また、カード事業の拡大のためクレジットカードを入会金無料で大量配布したことにより、興味本位で使ってみたり、配布された本人ではなく知人に使わせてしまう例も発生した。
利用者の方もまだ、「クレジットカードとはどういうものなのか」がわかっていなかった。
現在では、本人のみが知りうる暗証番号による本人確認が中心となっているが、サインの慣習も未だ残っている一方、暗証番号ではなく生体認証等の技術も開発された。
カード利用限度額と不正利用の防止
クレジットカードの利用限度額は、カード利用者の支払い能力と密接に関連する。
現代のアメリカではクレジットヒストリーの良好さが重視されているが、当然のことながらクレジットカード黎明期には、そのような仕組みはなかった。
利用限度を大幅に超えてカードを使いすぎる者のリストを作ったり、加盟店側が不正なカードかどうかを判別出来るよう、レジ脇にリストを置くように指示した。
また、盗難されたカードによる不正な利用等について、警察と連携を取るのはもちろん、ときに探偵を雇って調査させたりもした。 現在では、不正利用を思わせる利用があった際、利用者に気付かれないようにカード会社に通報出来る仕組みがあり、その場で警察官が取り押さえるような事態にはならない。
また、利用者の支払い能力を事前に調べる与信システムの確立も大きい。